1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 北米型救急が根付くまで「ぎらぎらしなくなったら…」- 寺澤秀一・福井大学名誉教授に聞く◆Vol.2

北米型救急が根付くまで「ぎらぎらしなくなったら…」- 寺澤秀一・福井大学名誉教授に聞く◆Vol.2

インタビュー 2018年12月23日 (日)  聞き手・まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

――福井県立病院での救命救急センターの立ち上げのご苦労については、今回の著書でも書かれていますね。福井県に帰られたのは1982年です。その当時の救急医療はどのようなものでしょうか。 当時は、各科の医者から内科系1人、外科系1人が当直して、得意なものは受ける、不得意なものは断るという、いわゆる、えり好み救急の時代です。そこに僕が1人、北米型の何でも引き受ける救急医が来たので、かなりバッシングされました。 僕のやり方は、いわゆる北米型で、全部引き受けるけど、専門的な治療が必要な患者さんは各専門家に依頼していくわけで、最初から途中までしか診ないわけです。外来や救急で自分が引き受けた患者さんは、自分が主治医となって治療するというのが日本の医者のやり方ですので、そんな中途半端な医者を医者として認めるという風潮などなかったです。日本の学会が提唱した救命救急医も、引き受けたら自分たちで手術するというスタイルでした。自分のやっていることが、他の救急医と違うことに気付くのに時間がかかりました。 みんながほどほどの仕事量でいい感じだったのに、仕事量が一気に増えて、「あいつをつぶして追い出せ」という指令が出...