1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 救急と総合診療の合体「現場ニーズに合った良い医者が育つ」 - 寺澤秀一・福井大学名誉教授に聞く◆Vol.3

救急と総合診療の合体「現場ニーズに合った良い医者が育つ」 - 寺澤秀一・福井大学名誉教授に聞く◆Vol.3

インタビュー 2018年12月30日 (日)  聞き手・まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

――その後、総合診療部の教授になります。 2002年に総合診療部が立ち上がる時に学長が、「寺澤君、総合診療部の教授はどういう人が良い?」と世間話で聞いてきたので「救急部の僕と仲良くやれる人がいいですね」と答えたら、「探してきたまえ」と。何人か候補に当たったのですが、断られました。外国人でも良いとのことだったので海外も当たったのですけど、京都に近いということで興味を示してくれる人達も給料の話をするとみんなどん引きでした(笑)。 結局、全部駄目で、そうしたら学長が「君が両方やりなさい」と。これは予期しないメリットがありました。救急の医者は肉食、体育会系が多いですが、総合診療は草食系のドクター。総合診療のドクターは比較的、夜は余裕があり、救急のドクターを手伝える。救急の医者は夜は忙しいが、昼は比較的余裕があって総合診療を手伝える。相互補完的で、草食系も体育会系、肉食系もみんな入ってもいい。つまり、特別な体力と気力と意欲のある人だけしかできない救急・総合診療ではなく、ごく普通の体力、気力、意欲があればできる救急総合診療部になりました。 救急に意欲的な人は9割救急で働き、1割総合診療。総合診療に...