1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「赤ちゃんポスト」と呼ばないで! - 蓮田太二・慈恵病院院長に聞く◆Vol.1

「赤ちゃんポスト」と呼ばないで! - 蓮田太二・慈恵病院院長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2018年12月22日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「赤ちゃんポスト」と呼ばないで。 ここは、幸福への出発点です! こんな文字が帯を飾る『ゆりかごにそっと』(方丈社)。著者は、日本で初の、かつ唯一の「ベビーボックス」である「こうのとりのゆりかご」を運営する慈恵病院(熊本市)の理事長兼院長、蓮田太二氏だ。 産婦人科医である蓮田氏は、2007年5月、72歳の時、何らかの事情で赤ちゃんを育てられない母親、そしてその赤ちゃんを救うため、「ゆりかご」を院内に開設した。それから11年以上が経過したが、いまだに唯一であることが、設置や運営の苦労を物語る。蓮田氏に、上梓の狙いと「ゆりかご」の普及に向けた思いをお聞きした(2018年12月15日にインタビュー。全2回の連載)。 ――まず「ゆりかご」の運営状況をお教えいただけますか。 今年の3月31日までに、「ゆりかご」に預けられた赤ちゃんは137人です。そのほか、お産の前に当院に相談に訪れ、特別養子縁組された方は300人を超えます。 蓮田氏はこれまでの取り組みが評価され、2018年の第14回ヘルシー・ソサエティ賞を受賞。 ――先生方は、そもそも赤ちゃんを預かる以前に、妊婦さんが相談される体制の必要性を説か...