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地域医療構想、実現を阻むのは「首長」

レポート 2018年12月21日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

厚生労働省の「地域医療構想に関するワーキンググループ」(座長:尾形裕也・九州大学名誉教授)の第17回会議で12月21日、山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授の村上正泰氏は、地域医療構想の協議で感じる課題として、「公立病院においては政治的影響があり、首長などの意向に判断が左右される」ことを挙げ、調整会議で話し合っても、それが実現しにくい現状があると指摘した(資料は、厚労省のホームページ)。 村上氏は、「病床利用率が低下しても、少ない人口の範囲内でそれぞれが病院の体裁の維持に固執し、ダウンサイジングや再編・統合には消極的」と説明。依然として「拡大路線」を志向する首長の存在が、地域医療構想実現の阻害要因になっているとした。 (2018年12月21日の「地域医療構想に関するワーキンググループ」、村上氏資料) 奈良県立医科大学教授の今村知明氏も、「ほぼ同じ課題を感じている」と述べ、「首長にどこまで踏みとどまってもらえるかだ」と指摘した。ダウンサイジングや再編・統合の協議が始まると、反対運動、さらには落選運動が起きたり、反対派が首長に当選したりするという難しさがあるとした。 全国自治体病院...