1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 若手、外科系医師が在宅医療に関心 - 佐々木淳・医療法人悠翔会理事長に聞く◆Vol.3

若手、外科系医師が在宅医療に関心 - 佐々木淳・医療法人悠翔会理事長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2019年1月20日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先ほど少し触れられましたが、先生が在宅医療に取り組まれたのは、何がきっかけなのでしょうか。 佐々木淳氏 僕は1998年に筑波大学を卒業、2003年に大学院に入りました。生活のために始めたアルバイト先の藤本(進)先生(東京都新宿区のフジモト新宿クリニック)のところで、在宅医療に触れたことがきっかけです。病院と在宅の医療では、基本的には患者さんの状態が違う。患者さんは治したいと思うから病院に来るのであり、我々も、治そうと思って一生懸命にやります。もう治らない、麻痺が残りました、となると、「本当に治せなくて、ごめんなさい。こんなになってしまって……」などと、医師が悲惨な人生の価値観を相手に植え付けるような話し方をしがちです。 しかし、在宅医療に行くと、何らかの病気や障害を持っていても、皆さんが楽しそうに暮らしています。眼が見えないおじちゃんも、看護師さんに手を引かれてトイレに行くわけではなく、自分でヨタヨタと吉野家まで行って、牛どんの並盛りを注文して、家に持ち帰って上手に食べているんです。つまり、彼らは生活者。「病気や障害があると悲惨だ」というのは一側面しか見ていないからであり、「うまい...