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医療の「機能分化」「標準化」進んだ30年【平成の医療史30年◆厚労行政編】

スペシャル企画 2019年1月12日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

医療は規制が強い分野。その舵取りをするのは、言うまでもなく厚生労働省だ。医療、それを支える医療行政が複雑、高度化する中、2017年7月に事務次官級のポストとして新設されたのが医務技監、その初代に就任したのが鈴木康裕氏だ(『医療行政が直面する「三つの境」越える - 鈴木康裕・厚労省医務技監に聞く◆Vol.1』を参照)。鈴木氏に、平成時代の医療や医療行政の「過去」と「現在」、そして「将来」、エピソードを交えながら語っていただいた(2018年12月20日にインタビュー。全3回連載) 鈴木康裕氏 ――日本の医療提供体制の変化をどのように見ておられますか。 日本の世帯の核家族化が進むと、自宅で面倒を見ることができない高齢者が増えてきます。日本がこれまでどう対応してきたかという視点からは、3つのフェーズに分けることができます。。 一つは、1990年(平成2年)代頃まで。医療(病院病床)を増やし、吸収してきました。しかし、1983年に当時の厚生省保険局長だった吉村仁氏が「医療費亡国論」を提唱し、1985年の第1次医療法改正で病床規制が導入されました。実際にその効果が現れるようになったのが、1990年...