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「大学病院こそ危機意識を持ち、10年後に960時間を目指す」と宣言を - 渋谷健司・東大教授に聞く

インタビュー 2019年1月15日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

厚生労働省での「医師の働き方改革に関する検討会」の議論が、大詰めを迎えている。焦点は時間外労働(休日労働を含む)の上限。同省は、「年間960時間」を基本とするものの、地域医療を適切に確保するための「地域医療確保暫定特例水準」として「年間1900~2000時間」という案を提示、研修時期を想定した「一定の期間集中的に技能の向上のための診療を必要とする医師を対象とする水準」も設定する方針。 過労死水準をはるかに超える上限設定に、医療界内外から批判、懸念の声が高まっている。同検討会の副座長で東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授の渋谷健司氏は、「1920時間を容認するような組織が存続できるとは思えない。大学病院こそ、早期に960時間を目指すと宣言すべき」と警鐘を鳴らす(2019年1月14日にインタビュー)。 ――先生は、1月11日の「医師の働き方改革に関する検討会」の最後に、迫井正深審議官に考え方を質しました(『時間外上限「地域医療確保暫定特例水準」1900~2000時間』を参照)。どんな思いからだったのでしょうか。 やはり「どこを目指すのか」というゴールを明確にしないと誤解を生むか...