1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 医師志す、「一人の友人」と「二冊の書」がきっかけ◆Vol.3

医師志す、「一人の友人」と「二冊の書」がきっかけ◆Vol.3

スペシャル企画 2019年2月3日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

――高校生になり、勉学に打ち込むようになった日々。医師を目指すきっかけを語ってもらった。 エンジニアだった父の影響もあり、最初は工学部を考えていたのですが、高校2年の半ばぐらいから、医師を目指すようになりました。 きっかけの一つが、高校1年の時のクラスメートのK君の存在。彼は1年の夏に、副鼻腔炎の手術をしたのですが、うまくいかず、ぐずぐずとした症状が続き、ノイローゼに近い状況になってしまった。2年に進級する時のクラス替えで、別のクラスになってしまったのですが、ある時、彼が近寄ってきて、こう言ったのです。 「なぜ僕だけ、こんな病気で苦しまなきゃ、いけないんだ」 副鼻腔炎ですから大した病気ではないのですが、当時の彼にとってはそうではなかった。「手術がうまくいかなかったのは医師のせい」と言ったり、「勉強ができないのも、病気のせいだ」と。そんな時、彼が突然、「前沢、お前、医者になれ」と言い出した。 「え?」と思わず聞き返し、「何を言うんだ」、「医学部は6年間もあるんだから、うちみたいな貧乏な家庭は、そんな高望みはできない」などと返事をした記憶があります。それでもK君は、「○○先輩も、お金はなか...