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医学部入学、「6畳で3人」の寮生活でスタート◆Vol.4

スペシャル企画 2019年2月4日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――「赤鬼先生」の塾に通ったおかげで、土浦第一高等学校の入学時点ではほぼ最下位だった成績が、徐々に上がってきた。 ところが、高校2年の最後の頃、成績が落ちてしまい、一度は医学部を諦めてしまったのです。母親に胸のしこりがあり、乳がんかもしれず、また父親は高齢だったので、学費の面が心配になったという事情もあります。そんな時に通い始めたのが、教会です。シュバイツァーはキリスト教徒だったので、多少興味を持って、聖書を読んだりはしていましたが、友人の誘いが直接のきっかけになりました。 一時は奨学金が得られず、医学部進学を諦めたこともあったという(写真:渡邊由幸) 大学に入るためには奨学金が必要だったのですが、その審査に落ちて医学部進学を断念した時、アメリカから来た宣教師から、こう言われました。「偉くなりたくて、医師になるのですか。そうではなく、シュバイツァーのように、医療に恵まれない土地の人のために尽くしたいという気持ちで医師になるのであれば、医学部に行けるように祈りなさい。お金がないのであれば、奨学金が通るように祈りなさい」――。 祈りと勉強は、直接的には関係はないはずですが、不思議なことに、...