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国試の前日、「政次、今、おやじ亡くなったぞ」◆Vol.8

スペシャル企画 2019年2月8日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

――夏休みや春休みなどに、聖路加国際病院と丘の上病院で臨床実習して、新潟大学医学部卒業を迎える。 私の頃は、9月から週1回くらいの頻度で、卒業試験がありました。父に胃がんが見付かったのは、ちょうどその頃。当時の国立霞ヶ浦病院、今の国立病院機構霞ヶ浦医療センターに入院、手術を受けました。ところが、開腹して、すぐにお腹を閉じてしまった。父はがん性腹膜炎も併発しており、「いいところ、3カ月。覚悟してください」と言われました。 試験勉強の合間に、新潟から土浦に帰っては父の看病をする日々が続きました。病院の看護師さんからは、「いつも大変ですね」と同情されたことを覚えています。抗がん剤が効いたのか、幸い父は予定よりは長生きしました。 当時の医師国家試験は4月、合格発表が6月。その国試の前日、昔から父を尊敬してくれていた叔父から、下宿先の大家さんのところに電話がありました。 「政次、今、おやじが亡くなったぞ」 入学当初は寮生活、その後、牧師さんの代わりに教会に住み込み。3年くらいいて、卒業当時はお寺に下宿をしていました。「今すぐに土浦に帰る」と返事をしたところ、「ばかやろう!何を言っているんだ。生き...