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『病む心とからだ』、日野原先生のもとで臨床実習◆Vol.7

スペシャル企画 2019年2月7日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

――日野原先生の『病む心とからだ』に感動し、医学生時代、聖路加国際病院に臨床実習のために3回通った。 当時は上越新幹線はまだなく、新潟から朝一番の特急に乗っても、朝9時に聖路加国際病院に到着することはできません。夜行列車に乗って、朝5時頃に上野駅に到着。西郷隆盛の銅像の辺りで一寝入りして、病院に向かいました。 日野原先生の医長室の部屋を訪れると、すぐに二人の先生を紹介してくださいました。一人は、循環器が専門の五十嵐正男先生。新潟大学出身で、開業された後も本を出されていたすごく頭が切れる先生です。もう一人が篠田智先生。東邦大学の出身で、心療内科が専門。 指導は、「屋根瓦式」ですが、日野原先生の回診に同行する機会も結構ありました。先生の言動の端々から、「患者さん本位の臨床」の在るべき姿を学ぶことができました。例えば、SLEの患者さんの診察。ステロイド薬を処方する際、「想定される副作用を10種類挙げなさい」と質問が飛んできます。答えられないでいると、先生ご自身がパッと10個すらすらと挙げる。後で教科書を見ると、見事に当たっているんですね。後手に回るのではなく、常に想定される副作用に先手を打っ...