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「地域医療学講座をやってくれないか」、中尾学長の突然の依頼◆Vol.13

スペシャル企画 2019年2月13日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――1981年4月、9カ月間の大分勤務を終えて、自治医大での勤務を再び始める。 ある時、高久先生(当時自治医大教授だった高久史麿氏)に呼ばれ、「前沢君、中尾学長が話があると言っている。11時に学長室に、ちょっと行ってきて」と言われました。中尾学長のところに行くと、地域医療研究会の分科会を大分で開催した時に来てくださり、お会いしていたこともあり、「ご苦労さま」との一言。そうして、こう言われたのです。 「今度、新しく地域医療学講座を作る。そこで講師をやってくれないか」 既に高久先生と相談されていて、血液内科の臨床は継続しつつも、講義等を担当してくれないか、という依頼でした。自治医大の第1期卒業生で、今は地域医療振興協会の理事長を務めている吉新通康先生が助手になるということでした。 実は、大分に行く前に、自治医大に戻った後は、教養課程の哲学の講義を担当する約束になっていました。哲学を担当していた先生が異動され、15コマの哲学の講義を、東大でインド哲学を学ばれてから医師になった泌尿器科の先生、哲学にも造詣があった精神科の先生、そして私の3人で担当する予定で、私は医療哲学や倫理、医師患者関係など...