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「検査・治療の偏重、cureのみが先走る」◆Vol.14

スペシャル企画 2019年2月14日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

――1982年3月から、1983年10月まで、総合研究開発機構(NIRA)の助成を受け、プライマリ・ケアに関する研究を進めた。 財団法人へき地振興財団として研究を進めました。研究指導者は自治医大学長だった中尾喜久先生、研究代表者は既に東大教授に就任されていた高久史麿先生です。日本では地域医療の経験があっても、体系化されていない。それを進めるための研究です。日本だけでなく、アメリカやイギリスでの地域医療に関する調査研究をスタートしました。 そこで相談に行ったのが、日野原先生(聖路加国際病院名誉院長の故日野原重明氏)です。日野原先生は、1951年から1952年にかけてアメリカに留学されていました。初期研修ではプライマリ・ケアをきちんと教えるべきとの考えをお持ちでした。 日野原先生は、倉敷市にある川崎医大に対しては、都市部で医療を担う開業医の在り方を探るための視察先として、東海岸を紹介したとのこと。ハーバード大学など、都市部の大学は総合的な内科をつくり、対応しようとしており、ファミリー・メディシンには否定的で、「いろいろな診療科の寄せ集めみたいなものはやらなくていい」との考えだったようです。...