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全国から年2000人が視察に訪れる“メッカ”に◆Vol.18

スペシャル企画 2019年2月18日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――最初の数年間はひたすら臨床に従事しつつも、涌谷町町民医療福祉センターの体制構築を進める日々だった。 センターがオープンする前は、施設系と在宅系の医療・介護サービスが充実しておらず、涌谷町には、「寝たきり」のような高齢者も結構いました。そこで医療面では、「寝たきり老人ゼロ作戦」を目指した取り組みを開始。涌谷町には当時、開業の先生が10人くらいおられたのですが、在宅医療をやられていたのは高齢の医師一人くらいでした。 病院でも、スタート当初の医師4人のうちで、在宅医療の経験があったのは、私一人。午前中の外来診察が終わるのはだいたい午後2、3時頃。それから病棟を回診し、夕方になって在宅医療に行くという生活を始めました。需要は結構あって、2、3人と増やしていくうちに、あっという間に50人くらいに対象が拡大。 並行して訪問看護や訪問リハビリテーションなど、医療・介護の訪問系サービスの充実も図りました。「15年間、ほとんど寝てばかりいた高齢者が動き始めた」といった方が現れるなど、効果が目に見えるようになると、ますます職員が熱心に訪問するようになりました。また高齢者が肺炎で入院したりすると、入院を...