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総合診療部、大学には根付きにくく「廃止」に◆Vol.20

スペシャル企画 2019年2月20日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――1996年5月、北海道大学医学部附属病院の総合診療部の教授に就任。 最初の年は私1人からスタート、次の年に助教授のポストを作ってもらい、その次の年に講師、助手のポストという形でスタッフが増えていきました。キャパシティー的に10人くらいが上限で、あとは出たり、入ったりしていました。 大学は特定機能病院であり、「振り分け外来」や心療内科的な外来はできますが、本来的な総合診療を実践するのは容易ではありません。札幌市内には、勤医協中央病院、手稲渓仁会病院、札幌徳洲会病院、札幌東徳洲会病院など、総合診療に早くから取り組んできた病院があり、そのほか、在宅医療に積極的に取り組んでおられるクリニックの先生方に依頼するなどして、数年かけて分散型で学生実習ができる体制を整えていきました。 また最初は講義の枠を持っていなかったので、当時、第3内科教授をされていた浅香正博先生から、「1コマあげるから」と言われて、総合診療の良さをアピールさせてもらったこともあります。講義を持つようになると、次第にコマ数が増え、4年生を対象として、15コマくらいの総合診療に関する講義を実施。それに加えて、2年生の前期後期を通...