強硬反対を説得し3学会合併、初代理事長に◆Vol.23

――3学会の統合は2009年8月の「2009年プライマリ・ケア関連学会連合学術会議」で正式に決定した（『プライマリ・ケア関連3学会の合併が正式決定』を参照）。 私は日本プライマリ・ケア学会の会長の立場で議論に参加していましたが、3学会の中で、一番合併に向けた反対意見が強かったのは、プライマリ・ケア学会だと思います。当時の執行部の間では、3学会を合併するメリットの方が、デメリットよりも大きいという意見で合併に向けた議論をしていたのですが、先輩からは「歴史的な背景から、合併はあり得ない」とお叱りを何度も受けました。 日本プライマリ・ケア学会は、私が会長になる以前は、開業医の先生方が歴代会長を務めておられました。日本医師会や都道府県医師会などに、強いパイプを持つ方が多かったのです。そのため日々臨床に従事する「開業医の学会」というイメージが強く、大学にポジションを持つ私が会長になったこと自体、少し違和感を覚えるというか、「開業医はもはや役員になれないのか」と受け止められました。 一方、日本家庭医療学会の主要メンバーは、教育や研究に熱心で、かみ合うはずはないと考える先輩方もいたようです。自分たち...