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北大を定年退職、私費で地域医療教育研究所◆Vol.25

スペシャル企画 2019年2月25日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――2010年に北大を63歳で定年退職、私財を投入し、一般社団法人地域医療教育研究所を立ち上げる。 北大の定年は63歳で、私が担当してきた医療システム学講座は改編される可能性があったので、最後の数年は大学院生を取らないようにしていました。ただ、「無理だよ」と言っても、「いや、1年だけでもいいです」という希望者がいました。医局代わりに大学院生の研究を補助する役割を担う目的で設立したのが、一般社団法人地域医療教育研究所です。 退職の前年の2009年に内閣府が始めたのが、「地方の元気再生事業」。私の知り合いで、当時は順天堂大学の公衆衛生学教室、今は放送大学教授の田城孝雄先生から、「先生、何かやらない?」と声をかけられ、後志地域医療人育成協議会として対象事業に応募。北海道は医師不足地域が多く、複数の市町村を束ね、医師の実習場所を確保し、医師の養成を通じて医師の採用につなげることができないかと考えたのです。 ひまわりクリニックきょうごく前にて(撮影:渡邊由幸) 北大時代から、学生実習先として連携があり、学生にも人気があったのは、倶知安厚生病院(倶知安町)、北海道家庭医療学センターの寿都町立寿都診...