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新専門医制度で「総合診療」志向に水差す?◆Vol.27

スペシャル企画 2019年2月27日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――2018年度にスタートした新専門医制度では、19番目の基本領域として、総合診療専門医が追加された。しかし、厚労省の1980年代の家庭医構想の頓挫からの諸課題が整理されたとは言い難い。 私が北大の総合診療部に籍を置いていた時代と比較しても、「専門は持つけれど、総合的なこともやりたい」という人も含めると、総合診療の分野に関心を持つ医師が年々増えてきました。 非常に優秀な方たちが総合診療を選んでくれるようになったので、教え方のノウハウとか、臨床的アプローチの方法論などが確立してきたことは事実です。以前は、「総合診療」と言うと、漠然と、「全人的医療」などと言われるだけで、どんな役割を担うのか、どのように養成するのかなどが明確ではありませんでした。 特に3学会が合併したあたりから、今の日本プライマリ・ケア連合学会の役員をされている方などが中心となり、家庭医療専門医のプログラムの作成などを通じて、目指すべき方向が明らかになり、よりシステマティックに養成が進むようになったと思います。研修のプロセスや指導法は、他の専門領域と比較してむしろ優れている面があるのではないでしょうか。幅広い診療領域を学ば...