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20年超の英国生活、それでも日本に戻る理由

オピニオン 2019年2月10日 (日)  佐々江龍一郎(NTT東日本関東病院総合診療科医長兼国際室室長代理)

自分の人生を問い直してしまう、問い直さずにはいられなくなる「ミッドライフ・クライシス(中年の危機)」は、約8割の人が経験すると言われている。30代後半から40代、50代にかけて起きることが多いというが、私の場合、それは30代前半に訪れてしまった。振り返ると、私は1993年に12歳で渡英して以来、勉強と仕事に明け暮れる毎日を過ごしていた。英国のパブリック・スクールからノッティンガム大学医学部に進学・卒業し、初期研修、総合診療・家庭医療の専門研修を修了した後、かねてから目指していた総合診療医/家庭医療医(General Practitioner、以下GP)として、ロンドンで日々診療に没頭していた。 コナートスクエア家庭医療クリニック 幸いにも私は32歳の時、あるGP診療所のパートナーになることができた。 GP診療所のパートナーとは、法律事務所や監査法人のそれと同じく、勤務医としての診療だけではなく、診療所のマネジメントも担当し、診療ビジネスによる報酬をシェアする、いわば経営パートナーのことだ。ロンドン西部のチズィックにあるGP診療所のパートナーのポジションが空いたと知り、応募したら面接に呼...