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渡航移植の事実、問診中に把握 - 静岡地裁判決◆Vol.3

レポート 2019年3月4日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

【掲載スケジュール】 Vol.1 渡航移植後の継続治療「拒否」は応召義務違反か(前提事実と争点) Vol.2 浜松医大「応召義務の適用場面でない」と主張(原告、被告の主張) Vol.3 渡航移植の事実、被告医師は問診中に把握(裁判所の判断) Vol.4 「診療継続求めた場面で拒否」は応召義務違反に当たらず(裁判所の判断) Vol.5 診療契約解除の「やむを得ない事由」あり(裁判所の判断) 第3 当裁判所の判断 1 認定事実 前提事実ならびに後掲証拠および弁論の全趣旨によれば、次の通りの事実が認められる。 (1) 本件手術に至る経緯等 ア 原告は、2014年7月頃、当時通院していた病院の医師から、慢性腎炎により1年以内に人工透析が必要になる旨の説明を受けた。原告は、人工透析は回避したいが、日本で腎移植を待つと15年程かかると考えたため、海外で腎移植手術を受けることを検討し始めた。 イ P医院の医師およびL総合医療センターの腎臓内科の医師からは、腎移植に係る情報を得られなかったため、原告は、自らインターネットで検索し、海外での腎移植のコーディネートをしているNPO法人(以下「本件NPO法人...