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診療契約解除の「やむを得ない事由」あり - 静岡地裁判決◆Vol.5

レポート 2019年3月11日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

【掲載スケジュール】 Vol.1 渡航移植後の継続治療「拒否」は応召義務違反か(前提事実と争点) Vol.2 浜松医大「応召義務の適用場面でない」と主張(原告、被告の主張) Vol.3 渡航移植の事実、被告医師は問診中に把握(裁判所の判断) Vol.4 「診療継続求めた場面で拒否」は応召義務違反に当たらず(裁判所の判断) Vol.5 診療契約解除の「やむを得ない事由」あり(裁判所の判断) 第3 当裁判所の判断 3 争点2(診療契約の債務不履行の成否)について (1) 目的達成による診療契約の当然終了の有無 上記1で認定した通り、原告と被告病院との間には、被告担当医師が原告の血液検査および尿検査をオーダーした時点で腎臓移植後の継続的フォローアップに関する包括的な診療契約が成立していたところ、被告は、目的達成により診療契約は当然に終了した旨を主張する。すなわち、被告は、イスタンブール宣言の内容に沿って本件申し合わせに反する診療をしない方針である被告病院において、診療契約上負担する義務は、被告担当医師の問診により原告が中国で移植手術を受けてきた患者であると判明した時点において、患者の生命身体...