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研修医が個性を試せる“舞台”がある

オピニオン 2019年2月8日 (金)  独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO)理事長 尾身茂

私自身が医師として少し変わった経歴を持つ(詳しくはJCHOホームページを参照)から、というだけでなく、若い人たちにはもっと試行錯誤してもらいたいと思っています。医学部を卒業して臨床研修中の医師も、臨床研修を終えて専門分野の研修に進む医師も、専門医を取って「さあ専門分野で存分に活躍するぞ」という医師であっても、まだまだ若い。経験や体験は相対的に少なく、視野は狭い状態と言えるでしょう。自身が経験・体験した範囲で、「好き」「面白い」「自分に向いている」と感じたことはあるでしょうが、「もっと好きになること」「もっと向いていること」があるかもしれないという意味です。 私自身は当初「医師になろう」とは全く考えていませんでした。高校生の時に1年間アメリカ留学した経験から、外交官や商社マン、新聞記者など、冒険の匂いがするような「楽しく世界を飛び回る」仕事がしたかった。「外交官は税金を使って世界旅行ができる」くらいにしか考えていませんでしたが、当時の私には大きな目標でした。 ところが留学から戻ったら、「楽しく世界を飛び回る」ために入学を希望していた大学の入試がなかった。学生運動の影響です。その結果、慶應...