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「出自を問えるのも、命があればこそ」、熊本・慈恵病院

レポート 2019年2月13日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

「こうのとりのゆりかご」を応援する有志らが2月9日、都内でシンポジウムを開催、日本で唯一の「こうのとりのゆりかご」を運営する医療法人聖粒会慈恵病院の理事長・院長の蓮田太二氏は、同病院で特別養子縁組あっせん事業を開始する予定であることを明らかにした。「私たちは、子どもの命を救うだけではなく、子どもの幸せを願ってやまない。そのためには、預けられた赤ちゃんを愛情ある家庭で一日も早く育てられるようにしたいと思う」と述べ、特別養子縁組への理解と支援を求めた。 何らかの事情で子どもを育てられないケースを想定して、出生前から特別養子縁組の準備を始めることを目指す。分娩施設等での出産が可能になるとともに、早期から「家庭」で育てることが可能になるからだ。内密出産も可能になるよう検討しており、「ゆりかご」が抱える問題解決を目指す。 現状では、「ゆりかご」に預けられる乳児は、自宅等で妊婦が一人で産む孤立出産がほとんどであり、乳児・妊婦ともに危険が伴う。乳児は、その後、乳児院、児童養護施設に預けられる。「施設は、家族の統合を第一に考え、預けられた赤ちゃんを家族に返そうとする。しかし、実父母のもとにいるのが、幸...