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数学者の道を断念、医学部へ、そして……

オピニオン 2019年2月24日 (日)  神田橋宏治(医師、DB-SeeD社長)

さて2回目です。昔話付き合ってくださいね。 出たがりだとか、中途半端だとか、フリーターと変わらんとか本当のことを言われると、悔し涙を流すのでお手柔らかにお願いしますね。 数学科を卒業したものの、数学者への道をあきらめたとき、25歳でした。サラリーマンには向いてないし、起業する根性はない、塾講師やフリーターは先行きが不安。そこで考えたのが医師の道です。医師は親戚にも何人かいるし、年を取ってからでも食っていけることが分かっていました。本当はここで「子供のころ医師に助けてもらって」とか、「漫画やドラマを見て、ああいう医師になりたくて」ということが言えればいいのですが、単なる消去法で医師になりました。 妻と子を抱えて、実家からの仕送り、バイト、奨学金で何とか1999年に卒業しました。特に当時、給付型の奨学金をくださった鴻池奨学財団には今までお返しができていません。この場をお借りして、お礼申し上げます。 当時は臓器別再編が始まったころで、東大の第一内科という縦割りの医局と、血液内科という横割りの医局両方に入局しました。今も医局費を払っているので、いずれにも所属しているはずです。どこへ行けとも言わ...