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ネット黎明期が「一番悪かった」【平成の医療史30年◆がん告知編】

スペシャル企画 2019年3月8日 (金)  聞き手・まとめ:岩崎雅子(m3.com編集部)

──治療法の進歩以外に、告知が進んだ背景には、社会や患者側の変化はありましたか。 それはもちろんありました。患者さん、あるいは家族の発言権が強くなってきたことです。 昔は医師に言われたら患者さんは「はい、そうですね」とあまり疑問を持たなかったし、ただもう信じるものだった。対等でない信頼関係と言うのでしょうか。僕らよりもう少し前の世代の医師側には、フルに告知しなくても、「我々は信じてもらっているのだから、我々がベストと思うことをすれば良い」という考えがあったのかもしれません。 ただ、社会が変わってきて、患者さんは自分たちの知る権利を主張するようになった。それはそれで、お互いが納得した上で治療ができるので、患者さんにとっても医師側にとっても良いことだと思います。昔は自分が信じた治療がうまくいかなかった時、「自分が良くなかった」とがっかりしたりしましたが、今は患者さんもいろいろ知識を持っている。対等にディスカッションをして一緒に治療を選びます。それに患者さんが満足してくれたら、医療者側もストレスが少なくなると思いますね。 藤原俊義氏 ──患者側が知る権利を主張し始めたころ、現場で混乱を感じた...