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「最高の技術」「最善のケア」の両立目指す - 堀江重郎・順大泌尿器科教授に聞く◆Vol.2

インタビュー 2019年3月17日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――「医は、聴くことからはじまる」とのことですが、先生ご自身はどんな医学教育を実践されているのでしょうか。 ベッドサイドに1時間程度行って、「患者から話を聴く」実習を取り入れています。患者さんが話せば別ですが、基本的には病気のことは話題にしません。その方がどんな生活をしてきたか、どんな人生を送ってきたかを聞いてもらいたい――。そんな説明で実習を始めます。 例えば、地方から集団就職で上京、工場で仕事をし、奥さんとはダンスで知り合ったとか……。そんな話に耳を傾けていると、患者さんの多くは、自分の家庭や職場環境、心情を話すようになるものです。患者さんが大事にしていることが分かるようになり、依存度が高い人なのか、自立している人なのかといったことも透けて見えるようになります。話を聞いた結果をA4判1枚程度にまとめ、プレゼンテーションし、私がコメントします。その過程で学生たちは、患者の価値観を知るトレーニングの一環であると気付くわけです。 もっとも、医療はそれだけでなく、「最善のケア」だけでなく、「最高の技術」がなければ成り立たないことを忘れてはいけません。 日本抗加齢医学会理事長なども務め、多忙...