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「あり得ないと肌で感じた」、乳腺外科医裁判-高野隆・主任弁護人に聞く◆Vol.1

インタビュー 2019年2月27日 (水)  高橋直純、岩崎雅子(m3.com編集部)

自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪で逮捕・起訴された男性外科医に対する裁判で、東京地裁(大川隆男裁判長)は2月20日、男性外科医に無罪(求刑懲役3年)を言い渡した。主任弁護人は刑事弁護の第一人者として知られる高野隆氏。完全無罪判決は今回で16回目という。本裁判の争点や、判決の意義を振り返っていただいた。(2019年2月21日にインタビュー。計2回連載の1回目) 判決はこちら⇒ 『乳腺外科医裁判で無罪判決、わいせつ行為否定』 第2回公判での高野氏の弁護側冒頭陳述はこちら⇒『乳腺外科医裁判が再開、「『犯罪』ではなく『症例』』 ――最初に高野先生はどのような経緯でこの裁判に関わったのでしょうか。 僕が関わったのは第1回公判直後ぐらいですね。男性外科医の保釈が認められたのが2016年12月で、その直前ぐらいに話がありました。保釈後にご本人から面会の要請があり、ご家族の方からも「ぜひ」ということで参加することになりました。実際に病院に行ってみて、病室の構造的にもこれはあり得ないと肌で感じました。男性外科医と話しても、そういうことをする人には到底見えないし、...