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インフル治癒や陰性の証明「ナンセンス」

レポート 2019年2月28日 (木)  大西裕康(m3.com編集部)

日医常任理事・釜萢氏 日本医師会常任理事の釜萢敏氏は2月27日の定例記者会見で、一部の学校や企業が生徒や職員に対しインフルエンザの治癒証明書や陰性証明書の提出を求めている現状について、改めて「ナンセンス」と指摘し、正しい知識に基づいた本人の休養や感染拡大防止に対する理解、協力を求めた。治癒証明書や陰性証明書については、厚生労働省が2018年11月に公表した「今冬のインフルエンザ総合対策について」で、「職場が従業員に対して、治癒証明書や陰性証明書の提出を求めることは望ましくない」との見解を示している(治癒証明については『治癒証明「不要」も、求められれば「分からない』などを参照)。 釜萢氏は「証明書は本来、出しようがない。迅速検査で調べて『ウイルス抗原がない』と陰性の判定が出ても、検出限度には至らなかった、というだけで医学的にも意味がない」と述べ、迅速検査の結果はインフルエンザ診断の補助でしかないと強調。迅速検査のキットの精度が上がって普及し、医療現場での利便性向上には寄与していると認めつつも「診断で一番大事なのは症状の把握と地域での流行状況やインフル罹患者、またはその疑いがある者との接触...