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肺がん見落としで河北医療財団と杉並区を提訴、1609万円請求

レポート 2019年2月28日 (木)  水谷悠(m3.com編集部)

河北健診クリニック(東京都杉並区)が実施した杉並区肺がん検診で胸部レントゲンの異常所見見逃しがあったために肺がんが悪化したとして、同区在住の70代後半男性が2月28日、クリニックを運営する河北医療財団(理事長:河北博文氏)と同区(区長:田中良氏)に1609万3121円の支払いを求めて東京地裁に提訴した。男性側代理人の梶浦明裕弁護士は「初歩的、重度の見落としがあった」と指摘。財団と区は見落としを認めており男性側は裁判を望んでいなかったが、慰謝料や治療費の仮払いに「治療終了後でないと支払えない」として財団が応じなかったため、提訴に踏み切った。 原告側検証で「明らかな異常所見」指摘 訴状によると、男性は遅くとも2009年以降、河北健診クリニックで杉並区の肺がん検診を受けていた。2017年7月25日の区肺がん検診で異常所見は指摘されなかったが、別の患者が見落としのため死亡した事案が2018年7月に発覚。杉並区が同区医師会に対し、2014年から2017年までの区肺がん検診の胸部レントゲン検査で「異常なし」の所見だった約9400人分の再検証を依頼し、同区医師会が画像を再読影したところ、44人に精密...