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2000年代以降、科学立国の危機に【平成の医療史30年◆大学編】

スペシャル企画 2019年3月12日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

臨床、研究、教育の3本柱が求められる大学。その役割、位置付けが大きく変化したのが、この平成30年間だ。その歴史を見ると、臨床と研究の在り方が相互に密接に関連していることが分かる。さまざまな制度改革が行われたが、中でも42ある国立大学に大きな変革を迫ったのが、2004年度の国立大学法人化だ。その結果、医学部付属病院は厳しい経営を迫られるようになり、大学勤務医の臨床のウエイトが高まった。一方で、臨床・基礎研究に割く時間が減少し、日本発の論文数の減少を危惧する声は多い。 『科学立国の危機』(東洋経済新報社)をこのほど上梓した、鈴鹿医療科学大学学長の豊田長康氏(元三重大学学長)は、その現状に危機感を呈する。 【平成の医療史30年◆大学編】では、国立大学を中心に大学を取り巻く現状と豊田氏の分析に続き、大学病院を運営する立場から国立大学附属病院長会議常置委員長の山本修一氏(千葉大学医学部附属病院長)、研究者の立場から前東京大学医学部長の清水孝雄氏へのインタビューをそれぞれお届けする(全6回の連載)。 鈴鹿医療科学大学学長の豊田長康氏が、代表的な国際文献データベースであるWeb of Science...