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「最後の砦」大学に財政的支援を【平成の医療史30年◆大学編】

スペシャル企画 2019年3月21日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――大学病院にとっては、ここに来て、「医師の働き方改革」という課題もクローズアップされるようになりました。 千葉大でも、働き方改革は進めています。例えば、タスクシフティング。2019年4月採用に向けて、「診療看護師」を募集しています。ただ、研修期間は現場で働く看護師が減り、戻ってきても、例えば入院基本料算定に必要な看護師配置とは別に置くことになるので、その分、人件費がかかります。十数人配置するとしたら、合計1億円を超えてしまう。 「今のままでは、30年後の日本の医療レベルは低下しかねない」と警鐘を鳴らす、山本修一氏。 ――医師の業務の一部を「診療看護師」が担うようになり、医師はその分を医師にしかできない業務に専念すれば、診療収入が上がるけれども、実際には医師の労働時間の短縮が先決であるため、そうはならない。 その通りです。医師の働き方改革は、社会問題化しており、世間の関心も高い。だからこそ、公開の場であれだけの議論をしているわけです。この議論が、改革を進めるための財政的な支援につながることを期待しています。 ――先生は、厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」の構成員です。医師の...