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「解剖学っていいな」

オピニオン 2019年3月10日 (日)  佐野十二(研修医1年目)

こんにちは。研修医1年目の佐野十二(さの・じゅうじ)です。今月も学ぶ姿勢を大事にしてがんばります。 患者さんと話していると、たまに「おやっ」と気付くことがあります。「今までに病気をしたことはありません」と言う人に「高血圧と言われたことはないですか?」と聞くと、「ある」と返ってきたりします。この人の定義では高血圧は「病気」に入らないようです。確かに高血圧は測らなければ分からないし自覚症状もないので、気持ちは分かる気もします。 「薬」と言えば「注射は除く」と定義している人にもたまに出会いますし、噂では「市販薬」という意味で「バファリン」と言う人もいたのだとか。 言葉の意味は人によって違っています。特に問診で迷うのが、体の部分の言い方だと思います。「二の腕」はもともと前腕を指す言葉だったけれども誤用の定着で上腕を指すようになったそうです。指の「第一関節」がPIP関節かDIP関節かは指をさしてもらわないと分かりません。「みぞおち」は(「みずおち」と発音する人もいてさらにややこしいのですが)心窩部とは限らず、臍部も含んでいたりします。眼科の先生から「黒目というのは瞳孔のこと」と言われたことがあり...