1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 日本初の「山岳医事務所」、大反響でびっくり!

日本初の「山岳医事務所」、大反響でびっくり!

オピニオン 2019年4月7日 (日)  神田橋宏治(医師、DB-SeeD社長)

さて5回目です。 今回は僕のライフワークの一つである山岳医についてです。登山は自然の中の営みですので、雪崩、低酸素、転落、強い日差し、紫外線、落雷、有毒ガスの発生、野生生物の襲撃などが生じるほか、内因性の疾患の悪化等も起こり得ます。その結果として、いわゆる高山病、低体温症、窒息、外傷、熱中症、眼炎、中毒、心筋梗塞等々の疾患が生じ、場合によっては命に関わります。こういったことの予防や治療をするために国際的規格で作られたのが国際山岳医です。そのほかに日本独自の規格の山岳医も合わせ、日本には全部で120人ほどの山岳医、山岳看護師がおり、本職の傍ら院内で登山者外来をやったり、ボランティアで山小屋救護に当たったりとそれぞれのテリトリーで活躍しております。 僕がこの分野に興味を持ち始めたのは、40歳を過ぎて健康のためにと思って山歩きを始めたときでした。ある初夏の晴れた日に谷川岳の西黒尾根という急登を登っていました。晴れていて日光が強く、岩山なので照り返しも強い急な坂を、汗をだらだら流しながら登っているうちに頂上近くで頭痛やめまいがするようになりました。熱中症です。「あ、これはやばい」と思い、手元の...