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同人誌、数十万人規模来場の「救護室」

オピニオン 2019年4月20日 (土)  神田橋宏治(医師、DB-SeeD社長)

さて前回は(今のところ)お金にならない山岳医の話をしました。 今回ははるか以前、医師として数年間だけお手伝いしたイベント救護の話をします。 有償・無償を含め幾つかのイベント救護をやってみたのですが、僕にとって特に面白かったのは、日本有数の規模を誇る巨大な、あらゆるジャンルの同人誌等の即売会です。一般にイベント救護はそれを専門にする会社に任せることも多いのですが、この即売会においてはスタッフ全員、ボランティアで賄っています。会場内の一角に救護室があり、そこに複数の医師・看護師とともに詰めておくというのが主な仕事です。 参加者にとっては年に2回しかない大きなお祭りです。即売会ですので、自分で同人誌を作って店を出す人、それを買う人の両方が全国から数十万人規模で集まるわけです。お目当ての同人誌を買いたい人は、前日の夜から徹夜で並びます。夏は会場外の列にも容赦なく日差しは降り注ぎます。館内のクーラーもキャパシティーをオーバーしており、人による湿気も強く、熱中症になった人がバタバタと担ぎ込まれます。お祭りなので睡眠不足になっていたり、多少体調が悪かったりしても無理をして参加します。会場で持病で過呼...