1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. インシデント報告から手探りで学んできた20年【平成の医療史30年◆医療事故編】

インシデント報告から手探りで学んできた20年【平成の医療史30年◆医療事故編】

スペシャル企画 2019年5月28日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

大学病院を含め、医療機関の中でいち早く医療安全への取り組みに着手、今でも全国のモデルとなる取り組みをしているのが、大阪大学医学部附属病院。その中央クオリティマネジメント部部長を務めるのが、医師の中島和江氏だ。「失敗が起こらないようにする」だけでなく、「物事がうまく行われるようにする」ことにチャレンジすることが必要であると説く。 中島氏が大会長を務める「第14回医療の質・安全学会学術集会」のテーマは、「レジリエンスの探求~つながり、共創、イノベーション~」。中島氏に、平成という時代の医療の質・安全への取り組みの変遷とともに、令和の時代の課題などをお聞きした(2019年4月3日にインタビュー。計4回の連載)。 ――そもそも先生が医療安全への取り組みを始めたのは、いつ頃なのでしょうか。 1994年頃です。1994年9月から1997年6月までハーバード大学の公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)に3年間留学し、「医療事故の予防方策」「医療事故と医事紛争との関係」などを学びました。ちょうど「ダナ・ファーバー事件」(1994年末、ハーバード大学の教育関連施...