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医師の働き方改革「将来に丸投げ」に幻滅

オピニオン 2019年4月20日 (土)  木川英(川越救急クリニック副院長)

暖かくなったかと思えば、急に寒波がやってきたりと、例年より桜の咲いている時期が長くて平成最後にふさわしい春ですね。新元号も決まり、GWを戦々恐々と待ちながら(稼ぎ時?)、日々の診療に勤しんでいます。 救急車の有料化に対するたくさんのご意見、ありがとうございました。概ね、有料化するしか道はないといった結論でした。少し振り返った後に、今回のテーマについて論じさせていただきたく存じます。 そもそも今日的な救急搬送に関する問題は、1963年の消防法改正によって、初めて救急業務に関する規定が設けられたことに始まります。当時、高度経済成長により道路交通網が発達し自動車が普及した反面、交通事故の続発等が深刻な社会問題となっており、事故に対処するための救急業務に対する市民のニーズを背景に、救急業務が法制化されたことによります。 1964年の救急出動を見ますと、救急出場件数は26万1747件であり、事故種別ごとの出場件数は、急病が10万8960件(41,6%)、交通事故が8万427件(30.7%)でした。2017年には約24倍の634万2096件の出動で、急病が全体の6割以上を占めています。次いで、一般...