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臓器別専門医と「Win-Win」の関係構築 - 草場鉄周・日本プライマリ・ケア連合学会理事長に聞く◆Vol.4

インタビュー 2019年5月10日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――新理事長としてさまざまな取り組みをお聞きしました。これから先生が実践に移していくに当たって、一番苦労しそうな点、ハードルは何だとお考えですか。 やはり医療界の中でのプライマリ・ケアの定着、認知を高めていくことに関しては、相当まだ乗り越えなければいけないことが多いと思います。 ――2010年の3学会の統合以降、9年間実施してきたけれども、まだ不完全という認識ですか。 はい。多くの医師が、「実際に診ている患者さんには、プライマリ・ケアの意義を認めてもらっている」との実感を持っています。一方、医療界での理解はまだ不十分。「プライマリ・ケアとは何か、何ができるのか」となった時に、それを各地域で示していくことが必要だと思います。情緒的な議論では、突破できないでしょう。臓器別専門医とプライマリ・ケア医は、役割は違うものの、それぞれが価値提供できていることをデータで示していくことが必要です。 この辺りはまだ「入り口」に立ったばかりです。総合診療専門医の養成が始まってきたので、臓器別専門医の先生方とどう連携するのか、お互いにどの領域まで診るか、という議論にようやく入っていけると思います。簡単ではな...