「成功への王道なし」、自身で道を切り拓け【平成の医療史◆特別編】

【渋谷健司・前東京大学教授の「私の医歴書」】 Vol.1◆東大教授を辞任、英国で新たなチャレンジ Vol.2◆医局所属せずキャリア拓く、恩師との出会い Vol.3◆ハーバード大留学、一時は帰国もWHOへ Vol.4◆WHO事務局長選挙のあおり、不遇の時代も Vol.5◆東大教授に、「大変な選択肢選べ」が後押し Vol.6◆Lancet日本特集号監修、教室発展の契機に Vol.7◆「保健医療2035」厚労相の一本の電話から Vol.8◆ビジョン検討会「炎上するなら私が」 Vol.9◆東大医学部の世界ランキング、向上に貢献 Vol.10◆「成功への王道なし」、自身で道切り拓け ――この3月半ばに渡英、King's College Londonでの勤務を始めた。 ロンドンの3月は寒くて寒くて、おまけに家を探すまでに滞在したサービスアパートメントが悲惨でした。窓は隙間風がひどく、マットレスは「くの字」、寝るだけで肩や腰が重くなり、休めたものではありません。家はネットを駆使して、内見をしまくりました。クタクタになったところで見付けたアパートのジムにスチームサウナがあったので、それだけで決めてしま...