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新専門医制、偏在解消に向けマッチング導入すべきか

レポート 2019年4月19日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

国立国際医療研究センター病院医学教育部門の村岡亮氏は、4月18日に大阪市で開催された第119回日本外科学会定期学術集会の特別企画「新専門医制度の開始により見えてきたその現状と課題」で、医師の診療科・地域偏在を緩和するため、将来の適正な専門医数に基づき、医師養成数とほぼ同数の専攻医募集定員を設定した上で、専攻医マッチングを行うべきとの持論を紹介した(『「新専門医制度、募集定員設定しマッチング導入を」』を参照)。偏在問題にできるだけ早く道筋を付け、専門医制度の本質である「専門医の資質・能力向上」にエネルギーを集中すべきと指摘している。 もっとも、フロアからは診療科へのマッチング導入について、他科を希望していた医師が定員の関係から外科専攻医を選ばざるを得ない場合も想定し得るとして、研修や専門医の質の低下を懸念する声が挙がった。 村岡氏は新専門医制度の現状の問題点として、(1)専攻医の募集定員総数が採用実員総数の2.2倍(2018年度の場合、外科では2.56倍)であり、診療科・地域偏在が生じる余地がある、(2)一人の専攻医が登録できる研修プログラムが一つのため、応募者側は志望プログラムの選択肢...