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大学勤務医「研究の扱い」、今後の焦点 - 山本修一・千葉大病院長に聞く◆Vo.2

インタビュー 2019年4月30日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)、水谷悠(m3.com編集部)

――厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」では、応召義務、宿日直、兼務の在り方、自己研さんなどが議論されました。「細かいことは何も決まっていない」とのことですが、今後の検討課題として一番気になる点はどこでしょうか。 大学病院の勤務医については、研究の取り扱いが決まってないところが一番だと思います。医師としての診療業務に関しては、時間管理は可能でしょう。宿日直については、宿日直許可が下りる基準はほぼ明示されました。「当院のこの科とこの科は宿日直だけど、この科は時間外の扱いになる」とイメージできます。自己研鑽についても、何が該当するか見当が付きます。 助教以上の常勤職員は教育・研究職で、教育・研究・診療、3つのタスクが課せられています。教育については時間でカウントできますが、研究の部分をどう扱うかは決まっていません。厚労省の検討会でも言いましたが、マウスを相手に研究したり、病院で論文執筆のためにデータ整理をしたりしている時間をどうカウントするかが問題になります。 大学の他の学部の研究者は、基本は専門業務型裁量労働制です。一方で診療に従事し、時間管理されるという要素も併せ持つ医師につ...