1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. “スタンプラリー”、学会出席は何のため?

“スタンプラリー”、学会出席は何のため?

オピニオン 2019年5月17日 (金)  神田橋宏治(医師、DB-SeeD社長)

4月末に日本医学会総会と日本内科学会の総会が同時に名古屋で開かれました。参加するだけで専門医や認定医の更新に必要な単位数が稼げるということで、多くの方々が参加されていたようです。俗にスタンプラリーと呼ばれ、行くだけ行ってハンコをもらって帰る方も多かったのではないでしょうか。学術研究の発表の場でも、同業者が会ってアイデアや議論の交換をする場でも、臨床的能力を保ち続ける場でもない学術集会の意義は何なんだろうと思いますが、それは僕が専門医や認定医の更新を目的としていない部外者 だからかもしれませんね。 今回は専門医とか学位(博士号)について書きます。 僕が医者になったのは20年前、1999年です。その頃は、医学生が自分の卒業大学で研修し、ほぼ全員が自分の大学の医局に入って博士号を取るという風潮に批判が集まっていた時代です。「学位より専門医を」「縦割りの内科でなく、臓器別の診療科再編を」「進む科によらない共通の臨床研修の必修化」「研修は出身大学以外で」といった辺りがキーワードで、実際、2004年度から臨床研修にマッチング制度が導入されるなど、大きな変革が行われました。 僕自身、これらの考え方は...