1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 約40年間、医用工学の研究に従事 - 佐久間一郎・東大工学部教授に聞く◆Vol.1

約40年間、医用工学の研究に従事 - 佐久間一郎・東大工学部教授に聞く◆Vol.1

インタビュー 2019年5月22日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

厚生労働省と経済産業省が合同で開催した「未来イノベーションワーキンググループ」(WG)が今年3月、中間取りまとめを行った。高齢者人口がピークに達する2040年頃を念頭に、「人と先端技術が共生する未来の医療福祉分野の在り方」を検討するのが、WGの狙いだ。 WGの座長を務める東京大学工学系研究科教授の佐久間一郎氏(同研究科附属医療福祉工学開発評価研究センターバイオエンジニアリング専攻精密工学専攻教授)は、医用工学の研究者。工学系の視点から医療の分野をどう見ているのか、またWGの議論、中間取りまとめの根底にある考え方についてお聞きした(2019年4月16日にインタビュー。全3回の連載)。 ――先生は約40年間、医用工学に携わってこられました。 当研究室の母体は、1980年に開設された東京大学工学系研究科精密工学専攻医用精密工学講座。国立大学の工学部の中で、「医用」という言葉が付いた最初の講座でした。私は1981年に卒業した一期生です。当時は、義手、人工臓器などを研究していた教室でした。 私が学部4年の卒論で取り組んだのは、内視鏡。2分の1インチのCCDカメラを渡され、「電子内視鏡を作れ」と言...