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精神保健指定医取り消し処分、東京地裁取り消す

レポート 2019年5月17日 (金)  水谷悠(m3.com編集部)

精神保健指定医を不正に取得したとして89人の医師が資格取り消し処分を受けた問題で、その一人、田沼龍太郎医師が処分は不当として国に取り消しを求めた裁判で、東京地裁(古田孝夫裁判長)は5月15日、処分が違法であるとして取り消しを命じた。代理人弁護士の宮澤茉未氏によると、同種の訴訟は各地で10件以上起こされているがこれまでに医師側勝訴の判決はなく、田沼氏は勝訴に驚いているという。所管する厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課は対応について「関係省庁と調整中」としている。 左から小野英明、井上清成、宮澤茉未各弁護士 田沼氏は、精神保健指定医の指定申請時に提出した8症例のケースレポートのうちの一つが「自ら担当として診断または治療に十分な関わりを持った」と認められないとして、2016年10月26日に厚労省から指定医取消処分を受けた。2015年4月に発覚した聖マリアンナ医科大学病院で組織的な不正取得に端を発した全国調査で不正を認定された101人のうちの1人。89人が指定医取消処分(残る12人は辞退したか、取得前に申請却下)となり、全員が戒告か業務停止1カ月または2カ月の行政処分も受け、...