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医師の働き方改革、影響大は大学病院 - 迫井正深・厚労省審議官に聞く◆Vol.5

インタビュー 2019年6月13日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)、水谷悠(m3.com編集部)

――個人的な見解としてお聞きします。今後、医師の働き方改革の進捗とともに、かなり医療提供体制も変わっていくとお考えですか。 変わっていくと思います。2012年度に診療報酬と介護報酬の同時改定から、その6年後の2018年度の同時改定までの間にも、いろいろなことが変わりました。 7対1入院基本料にしても、単に看護師さんを配置すれば算定できるという動きが、かつてはあったと思います。けれども、マンパワーは有限、もっと言えば患者さんも際限なくいるわけではありません。急性期の患者で病床を埋められず、病棟閉鎖やダウンサイジングしている病院も少なからず出てきています。介護分野でも、人手不足でベッドをフルに稼働できない特別養護老人ホームも多数見られます。医療も介護も、マンパワーの需給と、医療の需給を真剣に考えないと、単純な拡大路線はもはや成り立ちません。 だから今後も変わっていくと思います。 「無給医」の問題については、実際の雇用形態や診療実態を見て、議論することが必要だという。 ――これまでは稼働率を上げる、拡大路線を取ることで対応してきたけれども、今の一番の経営リスクは人口減少。医療ニーズも今後は減...