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職場の雰囲気が悪いことで失う物って?

オピニオン 2019年5月26日 (日)  志賀隆(国際医療福祉大学准教授/同大三田病院救急部長)

朝6時に目覚ましが鳴る。眠い目をこすって疲れのたまった重い体を引きずり、顔を洗って着替える。カレンダーを見ながら「今日は当直だ…」とどよーん。冷凍食品のチャーハンと餃子を温めてかきこみ、午前7時に出勤。到着するなり前日の夜に使われた薬のオーダー、抜けた点滴、採血などを終えたと思ったら、あーもうカンファレンスだ!患者さんを足早に回ってレントゲンとカルテを集めて……。 む!なんだこの人は?見学の学生さんなんだな。とっさに口から出るのは、「そこのスペース使わないで!」「さっきも言ったでしょ!」「きちんと考えて!」「こっちの状況をみてよ!」。学生さんについ浴びせてしまうきつい言葉。そして後悔する──。 これは初期研修医のころの私自身の苦い思い出です。 疲労がたまっている時や多忙な時は、どうしても厳しい言葉が出てしまうことがありますよね。本来なら、「将来の仲間の候補としてとても有力」な学生や初期研修医が現場に回ってきたら、「成長した実感」や「職場の雰囲気の良さ」を感じてほしいところです。しかし、実際の現場では、「あの研修医はダメだ!」「今の研修医は自分で調べない!」「彼らはお客さんだから!」など...