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医学研究の世界も「人」こそ大切、伊藤・東北大教授最終講義

レポート 2019年6月4日 (火)  大西裕康(m3.com編集部)

伊藤氏 東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座腎・高血圧・内分泌学分野教授(腎・高血圧・内分泌内科 科長など)の伊藤貞嘉氏は2月8日、2018年度での退任を前に最終講義した。腎臓が血液中の成分を常に一定に保つために必要とする安定した濾過機能維持の機序を世界で初めて証明しただけでなく、病院運営でも地域の市中病院で黒字化を実現するなどの手腕を発揮。大学でも教授と併任で理事を務め、研究推進に関するさまざまな施策を実行・実現させた。数々の功績がありながら自身は、「いろんなことができたのは『断れない伊藤』がそこにいたから」、「何もしない教授を教室員が支えてくれた」「優秀な人たちが全部やってくれた。私はちょっと口を出しただけ」などとうそぶきながら、記憶に残っている言葉も交え、研究者生活、そして約22年間の教授生活などを軽快な語り口で振り返った。「イノベーションという冷たそうな世界でも、結局は人」と指摘するなど、人との関係の大切さも繰り返し強調した。 伊藤氏は宮城県出身。1979年に東北大学医学部を卒業後は古川市立病院で初期研修し、東北大学医学部附属病院での勤務を経て、1982年5月に米国ヘンリー...