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臨床医の基礎研究に利点あり、渡辺・東京医科歯科大教授最終講義

レポート 2019年6月5日 (水)  大西裕康(m3.com編集部)

渡辺氏 東京医科歯科大学理事・副学長(産学官連携・研究展開担当)兼大学院医歯学総合研究科消化器病態学分野・消化器内科教授(総合研究機構長)の渡辺守氏は3月19日、2018年度での定年退官を前に最終講義を行った。自身の経験から「臨床医による基礎研究」に取り組む意義や重要性、必要性について語った。 渡辺氏は、1979年に慶應義塾大学医学部を卒業。1985年に同大医学部大学院(内科学)を修了後は、途中に米国ハーバード大学への留学をはさんだ以外は約21年間、慶応義塾大学病院に所属。2000年、45歳の時に東京医科歯科大学大学院・同消化器内科教授に就いて以降の19年間は同大一筋。定年退官後は東京医科歯科大学が2019年4月1日に開設した高等研究院の初代院長および特別栄誉教授に就き、引き続き臨床や研究に携わっている。 医療の道を志したきっかけの一つについては、幼少期に患った喘息を挙げた。「5歳から喘息の発作に30年間苦しんだ。医学部学生から初期研修医の期間だけで計13回の入院。ステロイド依存性で、月に1回は長時間持続性の筋注剤を使わないと症状を抑えられなかった。免疫を勉強して自分の病気を治したいと...