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医師の健康、働き方は「自身の手で管理」- 中嶋義文・三井記念病院精神科部長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2019年6月16日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

医師の働き方改革では、時間外労働の上限規制ばかりに注目が集まるが、産業保健の視点が欠けているとの指摘は少なくない。時間外労働の上限を超える場合には、面接指導を行う必要があるなど、制度上も医師の健康管理にも留意するよう設計されている。 日本医師会の「医師の働き方検討委員会」の委員などを務め、産業保健に造詣の深い三井記念病院精神科部長の中嶋義文氏に産業保健の大切さ、三井記念病院での取り組みなどをお聞きした(2019年5月22日にインタビュー。全3回の連載)。 ――産業保健の立場から、医師の健康管理の現状をどう見ておられるのかをまずお聞かせください。 私は、日本医師会の「勤務医の健康支援に関する検討委員会」に十年来所属、最近は「医師の働き方検討委員会」の委員を務めるなど、産業医として活動しています。医師の場合、自分の健康に対しての意識が低いことは、前々から指摘されてきました。「勤務医の健康支援に関する検討委員会」が医師を対象に「健康状況」を調査した結果、2009年と2015年の比較では、健康状態がやや改善傾向にありました。ただし、自分自身の不調について、他の医師に相談するケースも少しは増えて...