1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 奈良・勾留中の男性医師死亡、「検察の不起訴は不当」

奈良・勾留中の男性医師死亡、「検察の不起訴は不当」

レポート 2019年6月5日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

奈良県の山本病院に勤務していた男性医師(当時54歳)が奈良県桜井警察署に勾留中の2010年2月、呼吸停止になり搬送先病院で死亡した事件で、奈良県県警本部に刑事告発した岩手医科大学法医学講座教授の出羽厚二氏は6月5日、奈良検察審査会に対し、不起訴処分は不当とする審査申立書を提出、受理された。 出羽氏は、男性医師は取り調べ中に、警察官からの殴打で傷害を負い、横紋筋融解症を発症、それが原因となり急性腎不全などの多臓器不全で死亡したと見て、2016年11月、奈良県警察本部を特別公務員暴行陵虐致死容疑で告発(『勾留中の男性医師死亡、法医が刑事告発したわけ』などを参照)。しかし、今年4月9日、不起訴処分になっていた。 出羽氏は、「刑事司法における取り調べの可視化が重要な問題となっている今日、本件事案で取り調べ中に何が行われたのか、公開法廷で明らかにすることが、被疑者の人権尊重のため、また刑事司法手続を適正化することの必要性を示す意味で、重大な意義があると思う」と、起訴相当の議決を期待した。 なお、遺族が警察官に過失があるとして、奈良県に対し、9682万5418円の損害賠償を求めた民事裁判では、最高...