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「責任追及は、“事故調”の根幹揺るがす」城守日医常任理事

レポート 2019年6月23日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

日本医師会常任理事の城守国斗氏は、6月23日に開催された第145回日医定例代議員会で、医療事故調査制度について、「医療事故の原因究明と再発防止を目的とするこの制度では、責任追及的な調査結果がまとめられることは、制度の根幹を揺るがすことに直結する」として、日医としてその懸念を払拭することを目標に取り組んでいることを説明した。 患者・国民、医師を含む医療者から制度への信頼を得ることが不可欠だとし、そのためには「予期しない死亡が起きた場合には、医療事故調査制度に則って院内調査をして原因究明する」という意識を浸透させることが重要だと指摘。具体的方策として、(1)標準的な院内調査手法の確立と普及、(2)院内調査を支援する立場の、医療事故調査等支援団体の役割を明確化――を挙げた。さらに現行制度の不完全な部分、問題点を洗い出すために、2018年度から2カ年の予定で、城守氏が研究代表を務めている厚生労働科学研究で、支援団体の活動の実態把握について調査を進めていることも紹介。 「医療安全と紛争解決は分けて考えた方がいいと思うが、今の制度だと、医療機関側の当事者が犯罪者扱いになりかねない」など、院内調査の...